Pandoc の Portable Windows バージョンを作る

Pandoc は、 HTML や、 Markdown, Textile, LaTeX などはじめとした、豊富な各種マークアップ形式を、別の形式に変換できるコマンドラインツールだ。

例えば、 textile → markdown 変換 とか、 HTML → markdown 逆変換 といったようなことができる。

何ができるかは、 Pandoc ユーザーズガイド あたりを参照してほしい。

さて、 この Pandoc の Windows 版は msi のインストーラ形式でしか配布されていない。

このインストーラでインストールすると、 ユーザディレクトリの %LOCALAPPDATA%\Pandoc\ (もしくは %ProgramFiles(x86)%\Pandoc\) に実行ファイルを展開して、 PATH を通してくる。
どうやら、システムディレクトリにファイルを置いたりしないようなので、 正直これだけのためにインストーラを実行して、 PATH や レジストリを汚すようなことをしたくない。

ということで、 msi インストーラから、 インストールをせずに実行ファイルだけ取り出して、 Portable 版を作成してみよう。

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ZoneId を PowerShell を使って一括削除 [v3 以上]

Windows では、リモートからダウンロードしたファイルに、 "ZoneId" という物が付加される。
このID が付加されたファイルは、 exe として 実行する際にセキュリティ警告が表示されたり、 .NET アセンブリ dll として PowerShell に読み込む際に、

Add-Type : ファイルまたはアセンブリ 'file:///*.dll'、またはその依存関係の 1 つが読み込めませんでした。操作はサポートされません。 (HRESULT からの例外: 0x80131515)
発生場所 行:1 文字:1
+ Add-Type -Path 'C:\*.dll'
+ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    + CategoryInfo          : NotSpecified: (:) [Add-Type], FileLoadException
    + FullyQualifiedErrorId : System.IO.FileLoadException,Microsoft.PowerShell.Commands.AddTypeCommand

などとエラーになってしまう。
160925_1

ファイルが一つだけなのであれば、ファイルのプロパティから『ブロックの解除』をチェックすれば、簡単に ZoneId を削除することができる。
160925_2
しかし、複数個のファイルの ZoneId を一回の操作で同じように削除することができないため、 ZoneId を削除したいファイルが大量にある場合はなかなかウザい。

PowerShell v3 以上を使えば、この ZoneId 削除をいとも簡単に行うことができるので、紹介しよう。

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Python の類似画像ライブラリ ImageHash を Windows で使う

sha1 や md5 等で知られるファイルハッシュは、ファイルの1ビットでも異なると、全く別のダイジェスト値を返すように作られている。

一方で、 画像の情報をハッシュ化する際に、 画像の大きさや微妙な違いには目を瞑って同じような画像は同じダイジェスト値、似たような画像は似たようなダイジェスト値を得たい場合もある。
例えば、大きさの違う画像や、 jpeg, png の形式が異なる画像を 同じ画像として扱うようにしたい場合だ。

そのようなハッシュ関数はいくつか知られている。

  • average hashing (aHash)
  • perception hashing (pHash)
  • difference hashing (dHash)
  • wavelet hashing (wHash)

そのうち、上記の 4つ の計算を行えるのが、 Python の ImageHash ライブラリだ。

このライブラリ自体は ピュアな Python ライブラリなのだが、 依存しているパッケージが総じて C言語拡張モジュールなので Windows で動作させるにはすこし手間がかかる。

そこで、 cygwin 上の python にインストールする場合と、 Windows 上の CPython にインストールする方法をそれぞれ紹介しよう。

以下は virtualenv を使って仮想環境上にインストールする手順とするが、 直接 Python のシステム環境に入れてしまっても問題はない。

メモ: 2017年現在、 pypi でプリコンパイル済みの依存モジュールがダウンロードできるので、以下の方法を使わなくても pippipenv コマンドだけでインストールが完了するはずだ。

cygwin を使う場合

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マザーボードが GA-P55-UD3R のPC を Win 10 アップグレードしたら、ネットワークにつながらない!

来たる 7月29日 に Windows 10 の 無料アップグレードが終了してしまうので、 後回しにしていた 自作のデスクトップPC を Windows 7 から Windows 10 にアップグレードしてみた。

実はこの デスクトップPC は、一度 Windows 8 に更新したあと、使いにくかったのと、当時載せていたグラボとの相性が悪かったのもあって、 Windows 7 に戻した経緯がある。
その後、 グラボは新しいモノに取り替えていたので、 Windows 8.x と互換性がよい Windows 10 なら、なんの問題も発生しないだろうと考えていた。
アップグレード前の互換性チェックも問題なく、更新をダウンロードして長いこと待てば問題なく更新される… はずだった。

ところが、Windows 10 へのアップグレードが完了したあと、OS にサインアップしたら、ネットワークに繋がらないではないか!

Realtek の ネットワークドライバが Win 10 に対応していなかった?

起動後のアクションセンターの通知で、ご丁寧にも 「Realtek の ネットワークアダプター が Win 10 に対応していないから、機能を無効にした」 などと通知をしてくれていた。
お節介な奴め。

このネットワークアダプターは、 GIGABYTE の マザーボード GA-P55-UD3R のオンボードのものだ。
GA-P55-UD3R は 7年前の M/B なので、当然サポートはとっくに切れており、 Windows 10 はおろか Windows 8 のドライバすら提供されていない。
ただ、それは GIGABYTE サポートサイト上での話だ。

GIGABYTE のサポートサイトによると、 GA-P55-UD3R は Realtek RTL8111D のチップセットを載せている。
幸い、 Realtek のサポートサイトには、このチップセットの Windows 10 用のドライバーが提供されているので、それを USB メモリか何かを経由して、インストールすれば良いのだ。

2016/05/15 現在、 Realtek のサポートサイト上の、 RTL8111D を含めた Network Interface Controllers チップセットのドライバーのダウンロードページはこちら↓
http://www.realtek.com.tw/downloads/downloadsView.aspx?Langid=4&PNid=13&PFid=5&Level=5&Conn=4&DownTypeID=3&GetDown=false

ドライバーをインストールしても、ネットワークに繋がらない?

ドライバーのインストールが完了しても、すぐにネットワークが繋がるわけではない。
Windows 10 アップグレード時に 無効にされたネットワークアダプタは、 ドライバーを更新しても自動で有効にならないからだ。

ご丁寧に、ネットワークアダプタの各項目一つ一つの項目が無効になっているので、必要な機能を有効にしよう。
ローカルエリア接続の各機能の項目を有効にする

これで、ネットワークが有効になったはずだ。

しかし… このデスクトップPCは、 7年間使い続けていることになるのか。
SSD を交換したり、 メモリを積みましたり、 グラフィックボード、 Blu-ray ライターをを交換したりはしているものの、それ以外はそのままだ。
Core i5-750, メモリ 6GB, SSD 128GB (+HDD) の構成だが、現状性能に全く不足を感じず、極めてサクサク動いてくれる。(PC上で、リッチなグラフィックのゲームをしないってのもあるが)
2~3年ごとくらいに H/W を刷新しないと 動作がもたついて使い物にならなかった、 2000年代中盤までは考えられなかったことだ。

Redmine + SQLite を Windows で ササっと 0 からインストール する 6つ のステップ

自分でローカルで動かして プロジェクト管理 したり、開発環境としていろいろ試してみるために、 Windows に Redmine を極力簡単に 0 からインストールする方法を紹介する。

Ruby と DevKit と Redmine を落とす

まずは Ruby が無くては始まらないので、 RubyInstaller つかって Ruby を入れる。
Redmine が使っている Rails を、 gam を使ってインストールするには、 Cコンパイル環境がないといけない。しかし、標準の Windows の環境では残念ながらCコンパイルできない。 このため、 RubyInstaller で公開されている Devkit も入れておく必要ある。 (「はじめてのRuby on Rails3」サポートページ「DevKitの使い方」 のページが詳しい) 続きを読む

Award BIOS で loading operating system から先に進まない

自作 PC でのおはなし。

容量アップもかねて、バックアップを取りながら データドライブに使っている HDD を取り替えたところ、なぜか

loading operating system...

と表示されたまま止まってしまい、OS が起動しなくなってしまった

いろいろ試しているうちに、ブートメニュー (ワタシの M/B だと、起動時に F12 キー押し) からブートするシステムドライブを選択すると、問題なく起動することに気づいた。
そして問題の症状は、ブートドライブ選択時にデータドライブを選んだときと同じ状態。
これは… ブートドライブの選択が間違えられているみたい…

ということで、自動的に本来のシステムドライブをブートドライブとして自動的に選択してくれれば解決なのだが、Award BIOS の設定を探しても、HDD の中でどれを優先してブートするか の設定が見つからない。

少し悩んだ結果行き着いた解決策は、「一旦システムドライブだけ接続してブートさせる」
システムドライブだけ接続すれば、ブートドライブを間違う余地もなく、正常に起動してくれる。
そして一旦自動で選択されたブートドライブは、覚えられるのかなんなのか、次回ブート時に優先して選択されるらしい。
(ブートメニューから手動で選択した場合はダメっぽい)

そもそも、システムの入っていないデータドライブをブーとしようとして止まってしまうこと自体、なんかおかしいのだが、ちゃんと動くようになったので、とりあえずこれで良しとしよう。

※BIOS のメーカやバージョンによって、上記のかなり変わってくると考えられるので、参考にしようと考えている方は注意。