puppeteer でファイルをダウンロードするときに、任意のパスと名前を指定して保存する

Puppeteer を使ってファイルをダウンロードする際に、任意のパスと名前で保存したい。

残念ながら、 現時点ではシンプルな方法は提供されていないようだ。
以下の Issue で何年にもわたって議論されているものの、 「コレ!」 という解決方法は無さそう。
Question: How do I get puppeteer to download a file? · Issue #299 · puppeteer/puppeteer

しかし、 この Issue の #issuecomment-668087154 のコメントで、 なかなか泥臭い方法で実現するヒントが書かれていた。
これを参考にして、任意のパスと名前でダウンロードファイルを保存してみよう。

実行方法

あらかじめ、 puppeteer の npm パッケージをローカルにインストールしておく。

npm install puppeteer --save

その状態で、後述の .js ファイルを nodejs で実行すれば OK だ。

node puppeteer-download-with-specify-name.js

コードと解説

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Vagrant で Temporary failure resolving となる問題の解決 – イントラネット DNS 編

Vagrant で Ubuntu の VM を立ち上げたとき、 apt 等を行おうとすると、以下のようなエラーに遭遇した。

client: Err:1 http://security.ubuntu.com/ubuntu focal-updates/main amd64 libjpeg-turbo8 amd64 2.0.3-0ubuntu1.20.04.1
client:   Temporary failure resolving 'proxy.local.example'

上記のエラーの内容はプロキシに接続できないというものだが、 問題のポイントはプロキシかどうかはあまり関係が無く、 名前解決に失敗しているという部分だ。
こういうのはだいたい systemd-resolved のスタブリゾルバ周りの問題だと相場が決まっている。

…ということで、順番に確認しながら問題を解決していこう。

なお、 使った box は generic/ubuntu2004 で、 VirtualBox で VM をホストしている。

スタブリゾルバの確認

まず、 resolv.conf を確認してみる。

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超簡単に大量の nanaco ギフトを自動登録するツール GUI 版

突然だが、自動車税や固定資産税などの税金や、公共料金などの払込票などを、どのように支払っているだろうか?
支払う額も大きくなりがちなので、なるべくお得に支払いたいのではないだろうか。

そこでオススメなのが nanaco ギフト だ。

(以下略)

この記事は、以前紹介した以下のツールの GUI 版を紹介するものだ。
nanaco ギフトのなんたるかは、以下のページをご参照をば。

端的に言うと、以下の通り:
税金や公共料金などに使える nanaco の残高を、 「ベネフィットワン」や「ちょコムショップ」などでお得に購入できる nanaco ギフトだが、 1,000 円単位で提供されることが多い。
大きな額の支払いだと、例えば 10万円 なら 100回 面倒なチャージ作業を繰り返す必要があり、その手間がお得分に見合わなくなる。
このため、 nanaco ギフトの登録を自動化してしまおうという話だ。

前回は、 PowerShell 版を作成して個人的にはこれで完全に事足りていたのだけれど、 ブログの記事にして公開したら、どうやら敷居が高かったらしく 「素人には難しい」とか「Excel で公開して」とかメールやらコメントやらを、いくつもいただいた。
確かに、昨年私が PowerShell 版の記事を出した頃、同じような時期に同じ目的の記事がいろんなブログで書かれるようになった気がするが、どれもこれも、いわゆる「プログラマ」なら簡単に使えるものの、それ以外の人には厳しそうなものばかりだった。

そこで、 専門的な知識がなくても使える、 みんなに易しい GUI (グラフィカルユーザーインターフェイス) で動くツールとして作り直してみたのが、今回のお話。

当初は、 PowerShell版 を流用して簡単に作れるかな~ とか目論んでいたのだけれど、色々うまくいかず、 結局イチから作り直している。

booth で販売中

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CertReq で作成した CSR の文字化けを回避する

Windows Server の certreq.exe を使って、 https 等を目的に サーバー証明書署名要求 (CSR) を作成した際に、 その CSR や署名後の CER で、 サブジェクト字が文字化けしてしまう場合がある。

 

この問題は、 certreq.exe にて、テキストファイル (.inf ファイル) から CSR を作成した場合に発生する。

そしてこれは、 .inf ファイルを BOM付き UTF-16 LE で保存すれば解決する。
(BOM付き/BOMなし の UTF-8 には対応していない)


Windows のメモ帳であれば、 文字コードを Unicode に設定すれば、 OK だ。

対処法は単純だが、原因が少しややこしかったので、少し深堀りしてみる。

CSR が文字化けする要因

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.NET Interactive が vscode で使えるようになった

以前、.NET Interactive の C# REPL を Jupyter で などで紹介していた、 .NET Interactive が、 Visual Studio Code (VS Code) の Stable 版で使えるようになっていた。

まぁ、昨年 9月 の .NET Interactive Preview 3: VS Code Insiders and .NET Polyglot Notebooks | .NET Blog の時点で、 VS Code の Insiders ビルドでは使えていたのだが、 最近晴れて Stable 版の VS Code でも動作するようになったようだ。
……まぁ、 .NET Interactive Notebooks 拡張機能自体は、まだ Preview リリースではあるのだけれど。

Android版 Firefox (Fenix) で、任意のアドオンを使えるようにする

この記事では、 Android 版 Firefox Nightly に対して、 TampermonkeyGreasemonkey などの人気のアドオン(拡張機能)を動作させる手順を紹介する。

Firefox とアドオン

Mozilla Firefox (以下 Firefox) といえば、アドオン(拡張機能)と共にあったと言っても過言ではないだろう。

デスクトップ版 Firefox で、処理速度を大幅に向上させた Firefox Quantum の登場とともに、 それまでに使えていたブラウザのアドオンの多くが使えなくなった。
そのために、ただでさえ下降気味だったシェアの低下が更に加速した (筆者調べ) のも、記憶に新しい。

そして 2020年8月、 動作がかなり重かった 旧来 の Firefox for Android (~ v68.11 コードネームFennec) を、 これまた処理速度を大幅に向上させた GeckoView 版 Firefox for Mobile (v79~ コードネーム Fenix) に更新した際にも、 Mozilla は歴史を繰り返した。
それまで使えていた多くのアドオンが Firefox Fenix では使用できなくなり、 Mozilla が認めたごくごく一握りのアドオンしかインストールできなくなってしまったのだ。

誤解して欲しくはないが、 Chrome 等と比べても UI が洗練されていて 動作が軽快な Firefox Fenix を、私はとても気に入っている。
それでもやはり、どうしてもアドオンを使いたいときがあるのだ。

どうやら、 Firefox Fenix に関しては、 技術的に旧来のアドオンが全く動かなくなった訳ではなく、 ポリシー上制限しているだけのようだ。何故そうしているのかわからないけど。

そのためか、 Firefox の実験的なビルドを提供する開発チャンネルである Firefox Nightly に対して、 任意のアドオンをインストールする手段が用意されている。

先に断っておくが、 Nightly 版を常用することはオススメしない
不安定だし、予期しない問題が発生する確率が高いからだ。

それでも、 Stable チャンネルの Firefox Fenix にはインストールできないけど、どうしても動かしてみたい拡張機能がある場合は、有力な選択肢となるだろう。

Firefox に任意のアドオンをインストールする手順

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PowerShell でインストール済プログラム一覧を取得する

PowerShell を Windows の管理ツールとしてみたときに、割と昔から意味がわからないと思っていることが 1点 ある。
Windows のインストール済みプログラム一覧を取得するコマンドがないことだ。

もう少し具体的に言うと、appwiz.cpl で開ける、コントロールパネルのプログラムと機能の一覧や、 設定の「アプリと機能」の一覧を取得するコマンドレットがない。
コマンドレットがないだけじゃなく、コードを書いて取得する確立して手段すら存在しないのだ。

とりあえず、それに近い情報がとれる代替方法として、レジストリのアンインストーラー一覧を取得する方法が知られている。
ただ、ググってもあまり PowerShell らしい綺麗 (?) なコードで書かれているサンプルが少なかったので、ワンライナーで書いてみる。

Get-ChildItem -LiteralPath (('HKLM:', 'HKCU:' | %{ "${_}\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall" }) + 'HKLM:\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall') | Get-ItemProperty -Name DisplayName, DisplayVersion, Publisher, InstallDate -ErrorAction Ignore;

これで取得した内容を | Sort-Object DisplayName, DisplayVersion| Select-Object DisplayName, DisplayVersion などにパイプしてから使うと良いだろう。


ちなみに WMI の Win32_Product クラスを使って取得する方法 (Get-CimInstance -ClassName Win32_Product) は、

  • MSI でインストールしたアプリしか取得できない
  • コンピューターはMSIがインストールされているすべてのアプリケーションを再検証するので、負荷がかかるし遅い

と言うことから使うべきではないとされている。

VPN に繋ぐと WSL2 や Hyper-V VM でネットワークに繋がらなくなる問題を解消する

OpenVPN や Cisco AnyConnect, GlobalProtect 等といった VPN に接続した際、 Hyper-V 仮想マシン内からや、 WSL2 のディストリビューション内、 Windows Sandbox 内、 WSL2 ベースの Docker コンテナ内 等々、 Hyper-V 系の技術を使った仮想環境から、 PC 外のネットワークにアクセスしようとすると、 以下のようなエラーが発生して失敗する。

$ # curl 利用時の例
curl: (6) Could not resolve host: example.com
curl: (5) Could not resolve proxy: proxy.example.com

$ # apt で更新しようとした場合の例
W: Failed to fetch http://archive.ubuntu.com/ubuntu/dists/focal/InRelease  Temporary failure resolving 'archive.ubuntu.com'
W: Failed to fetch http://archive.ubuntu.com/ubuntu/dists/focal/InRelease  Temporary failure resolving 'proxy.example.com'

エラーの内容からわかるとおり、アクセス先やプロキシーのドメイン名を DNS で解決できなくなっている。

このような問題が発生することは以前から知っていたのだが、このご時世で VPN 使うことが増えてきて、いい加減鬱陶しくなってきたので、なんとかしようと思う。

解決方法

とりあえず、まずは 2種類 の解決方法から。

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Raspberry Pi で作るネットワークエミュレータ

明けましておめでとうございます。

この記事は、 Raspberry Pi Advent Calendar 2020 24日目の記事だ。
…遅刻すぎるのもいいとこだわ。


さて、ネットワーク回りの仕事をしていると、意図的にネットワークの遅延やパケロスを発生させて、検証したくなる状況がままある。

対象のサーバーにネットワークを遅延させるようなモジュール入れるようなやり方も考えられるが、もっと手軽に、 LAN ケーブルの間に挟むだけで、そこを通る通信が全て遅延するみたいな、そんな機材が欲しくなる。

もちろん、そのような需要があれば、それに応える製品があるわけで、それらは一般的に「ネットワークエミュレータ」として売られている。
しかし、高いものでは数百万を軽く超え、安くても数万円はするものばかりだ。

なんか安く作れないかなぁ…
Raspberry Pi あたりで。

…ということで、 Raspberry Pi 4 を使って、遅延とパケロスを制御できる、お手軽ネットワークエミュレータを作ってみよう。

先駆者

そもそもなのだが、そのものズバリなことを実践している先駆者様がいらっしゃった。

この記事の Raspberry Pi には、小型ドットマトリックス LCD ディスプレイや、様々な物理キーが GPIO に繋がっていて、 THE IoT という仕上がりになっている。

かっこいいと思う。
でも、電子工作するのめんどくさいよね。

GUIで手っ取り早く作る

そんな複雑 (…というほど複雑でもないけど) な電子工作しなくても、 RasPi にタッチパネルディスプレイつけちゃえばいいじゃん。
…ということで、 Amazon で割と評判のよい、 OSOYOO の 2,980円 タッチスクリーン付き LCD を取り付けて、めっちゃ簡単な UI をつくってみよう。

OSOYOO(オソヨー) HDMI 3.5 インチ LCD ディスプレイ IPS モニター IPSタッチスクリーン 1920x1280ハイビジョン Raspberry Pi 4 3 2 Model B に対応 (3.5" HDMI LCD+クリアケース)

もはや、 IoT 感を感じるのが難しくなってしまっているな……

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.NET Interactive で C# と PowerShell を股に掛ける

この記事は、「C# Advent Calendar 2020」 9日目の記事、かつ 「PowerShell Advent Calendar 2020」 9日目の記事だ。

スミマセン。横着した。

この時期になれば .NET Interactive の Preview 4 が出てるだろうしその記事でも書こうかな~ などと目論んでいたものの、 残念ながら登場しなかった。

このため、 .NET Interactive .NET 5 対応版の導入と、 Variable sharing の内容でお茶を濁そうと思う。

.NET Interactive のなんたるかについては、以前の以下の記事で取り扱っているので、そちらを参照願いたい。

.NET Interactive を .NET 5 で動かしてみる

いきなり本題とは関係ない話になるが、 せっかく .NET 5 がリリースされたところなので、 .NET Interactive を .NET 5 で動かしてみよう。

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